君と恋に堕ちた事について
買い物が終わり、簡単な昼食を食べ、約束通りに2人だけの時間を過ごした。


「ねぇ?子供欲しい?」

オレは、麻実を見た。きっと怪訝そうな顔をしていたのだろう。


「ごめんなさい。イヤな事思い出しちゃったよね。」


「いや、そんな事ないよ。」


オレは、そう言いながら子供の事より、また麻実をなくすのではないか?と、そっちの方が怖かった。


「何、考えてるの?」


麻実は、上体を起こすと、オレの髪を撫でた。指でオレの顔の輪郭をなぞった。


オレも、同じように麻実の髪を撫でた。


「子供がいようといまいと、麻実さえいてくれれば、他には何もいらないよ。」


麻実は照れくさそうに微笑んだ。

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