たった一試合、君と私の甲子園
「試合頑張れよ。」


「頑張っていいの?」


「えっ!?」


「相手は神楽高校やで?」


「あっ・・・うん・・・」


ちょっと困った顔をする宏大。


「冗談、頑張るよ。」


「お、おう。」


宏大・・・


こんな時は彼女を応援するのが当たり前でしょ?
なんではっきり言わないかな・・・


美優はそう思いながらも少しは
私らのことも考えてくれてる
ような気がして嬉しかった。


「じゃあ、行くね。」


「おう。」


紗奈はもう一度宏大を見て、
ニコッと微笑むと、背を向け歩き出した。


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