たった一試合、君と私の甲子園
「全力で神楽を潰すよ?」


「ああ、その方があいつらも喜ぶ。」


「うん。」


紗奈はニコッと微笑んだ。



「じゃあね。」


「ああ。」


二人は笑顔で手を振ると、
紗奈は背を向け歩き出した。



美優はその場にしゃがみ込んだ。


やっぱり二人の間には入れない・・・

紗奈には勝てない・・・


そんなことを考えていると、
一人の足跡がこっちに向かって来た。




しまった!!


ショックを受けてて
この場を離れるの忘れてた!!


足跡はどんどん近づいてくる。


美優は見つからず通り過ぎてくれることを祈った。



「あれ? 美優?」


「はっ!?」


見つかった!!


顔を上げると紗奈が目の前に立っていた。



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