たった一試合、君と私の甲子園
すると仲田のそばに紗奈が歩み寄った。


「仲田、シャキッとしろ!!」


紗奈は仲田に向かって怒鳴った。


「あなたは今、双葉学園のレギュラーとして
このコートに立ってる。
何十人いる中の代表としてここに立ってる、
泣き言は許さない!!」


「ううっ・・・」


仲田の頬に涙が流れる。


紗奈はすっと仲田の前に屈んだ。


「あなたの実力は私がよくわかってる。
あなたは選ばれてこのコートに立ってるんだ、
もっと自信を持て。」


「ううっ・・・」


「ミスしたっていい、思い切ってやれ。
仲田に止められないボールなんてない。」


「紗奈先輩・・・」


「もしあなたが取れなくったって、
私たちが取り返してあげる。」


紗奈はそう言ってニコッと笑った。


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