たった一試合、君と私の甲子園
夕日が校舎の半分をオレンジ色に染め、
遠くで野球部の声が聞こえる。


それ以外は何も聞こえない、
誰もいない校庭。

そんな静けさに包まれていると
急に寂しくなる。



私は毎日通い詰めた体育館へと向かった。


昨日まで歩いていた道なのに
妙に懐かしく思える。


体育館に入ると、目に入ったもの、

『打倒!! 柴原紗奈!!』
『打倒!! 双葉学園!!』

の文字。



字を間違えて書き直したっけ?


あれも取らないといけないなぁ・・・


私はこの横断幕を掲げた
時のことを思い出した。


字の間違いに笑った宏大に、脈あり?
なんて勘違いしたことを・・・


めっちゃ恥ずかしかったけど、いい思い出だ。


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