たった一試合、君と私の甲子園
「美優!!」


その時、私の名を呼ぶ声が聞こえた。


聞きなれた愛おしい声・・・


「宏大・・・」


「何してるんや?」


泥だらけのユニホーム、
夕日に照らされた笑顔・・・


宏大・・・


「いや、ちょっとね・・・」


美優は部室の方へ目を移しそう答えた。


「そうか。」


「紗奈に負けて、すっきり引退って
思ったのに・・・」


「美優?」


「悔しいよ・・・
やっぱ悔しいよ・・・」


美優は笑顔で宏大の方を振り向く、
その目からは涙が一筋流れた。


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