たった一試合、君と私の甲子園
「えっ!? 
でも野球部は今大会中でしょ?
学校で合宿してるんじゃ・・・」


「ちょっとくらい大丈夫でしょ?
ねぇ、行こうよ。」


「う、うん・・・」


大丈夫なのかな? 
もし火傷でもしたら大変なのに・・・

でも夏休みに入って全然宏大に
逢えてなかったから
ちょっとうれしいけど。


ふと宏大に抱きしめられて
泣いたことを思い出した。



「じゃあ、7時に学校でね。」


「・・・・・」


「美優、聞いてる?」


「えっ? あ、うん。わかった。」


「じゃあ後でね。」


「うん。」


私は一人ニヤニヤしていたことに、
恥ずかしくなって顔を押さえた。


花火かぁ・・・
何着て行こうかなぁ~・・・


美優は飛び起き、鼻歌を歌いながら
ルンルン気分でクローゼットを開いた。


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