たった一試合、君と私の甲子園
宏大・・・


宏大は鋭い目つきでバッターボックスへと向かう。


宏大・・・

足、痛いんでしょ?


痛いそぶりを見せずに歩いた宏大。


痛みを堪えて歩ける腫れじゃないよ?


宏大・・・


『紗奈と約束してるしな。』


私はギュッと胸が締め付けられた。



行かないで・・・

行かないで宏大・・・

無理してほしくないよ・・・

紗奈のために・・・


宏大への心配か、紗奈への嫉妬か、
宏大への大きな想いか、
美優は宏大が打たないことを願ってしまった。


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