たった一試合、君と私の甲子園
美優はそのまま甲子園の外へと向かった。


きっと今は涙目、アルプスへは帰れない。

私が球場の外を歩いていると、

「美優!!」

と、誰かが私の名前を呼んだ。


振り返ると、

「紗奈・・・」

スーツ姿の紗奈が立っていた。



「どうしたの?
帰りは明日の朝じゃ・・・」


「うん、でもどうしても帰りたくて
急いで一日早い飛行機に乗り込んだ!!」


紗奈・・・


そんなに宏大に会いたかったの・・・?


まぁ、私もわざわざ田舎から朝一で来たんだけどね。


そう思うと私はフッと笑ってしまった。





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