たった一試合、君と私の甲子園
夏が終わり三年生は引退し、
新チームになっての初めの大会、
秋季大会が始まった。


宏大たちは地区を制し県大会に出場、
そして順調に勝ち進み、
ベスト4へと駒を進めた。



そして放課後、準決勝に向けて
練習している野球部を見ていたら、
宏大が水場で顔を洗っているのが見えた。



ジャァァァー。


「ぷはぁーっ!!!
気持ちいい~!!」


宏大が練習途中、頭から
思いっきり水道水をかぶっていた。


「宏大。」


私はその背中に呼びかけた。


「んっ!?」


「美優?」


「頑張ってるなぁ~。」


「おう。」


宏大は持っていたタオルで顔を拭う。


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