たった一試合、君と私の甲子園
「ベスト4やって? 
すごいやん!!」


「まぁな。
おまえらはどうや?」


「うちら? 全然あかんわ。
仲良しクラブやもん。」


「そうかぁ、まぁそれもええやん。
みんなが楽しくできてんなら。」


「そやけどね・・・
でも一度くらいは強豪って
言われてみたいやん?
柴原紗奈みたいになってみたい。」


「えっ!?」


柴原紗奈。
今、高校女子バレー界で
一番注目を浴びてる女の子だ。



「知らん? いや知ってるよな?
宏大、同じ中学やろ?」


「う、うん・・・」


あれ? なんか宏大の反応がおかしい?



「どんな子なん?」


「どんな子?」


「うん。 あの子バレーだけじゃないやん?
スタイルもいいし、可愛いし。
だからどんな子なんかなぁ~って。」


「普通の子やで。」


宏大は特に褒めるわけでもなく、
さらっと言葉を返してきた。






< 46 / 222 >

この作品をシェア

pagetop