たった一試合、君と私の甲子園
そして宏大はスタンドの方を見上げ、
私の方を見た。


私は右手の小指を立て、
『約束』と、つぶやく。


宏大はニコッと微笑み、
軽く右手を上げた。



宏大・・・

ありがとう・・・



ごめんね、難なくじゃないね、
宏大の毎日の努力の結果なんだよね・・・



宏大・・・

やっぱ好きだよ・・・


あなたのこと大好きだよ・・・


鳴り止まない歓声の中、
守備に就く宏大の背中を私は
ずっと見つめていた。


いつかあなたの彼女になりたい、
私は本当にそう思ったんだ。



そう、彼女の存在を知るまでは・・・


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