たった一試合、君と私の甲子園
「おいっ!! 宏大!!」


「どうした?」


「あれ!! あれ!!」


「んっ!?」


何かに気付いた智徳が上を指さす。


俺が見上げてみると、二階の手すりから
大きな横断幕が吊してあった。


「なんや・・・これ・・・」


そして、そこには美優が立っていた。


「宏大!! 私・・・負けないから!!
柴原紗奈にも、双葉学園にも・・・
絶対負けないから!!」


美優はそう言うとニコッと微笑んだ。



『打当、柴原紗奈!!』
『打当、双葉学園!!』


横断幕には大きく書かれた言葉・・・
美優の決意が表れていた。


「字、間違えとうし・・・」


宏大はそうつぶやいてフッと笑った。


私、柴原紗奈に負けない!!
宏大を諦めないから!!


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