たった一試合、君と私の甲子園
「な、なんでもない!!」


「大丈夫か?」


「うん!!」


「そうか・・・」


宏大・・・


やさしい笑顔で私を見る宏大、
なんで、なんでこんなに
ホッとするんだろう・・・



「なんかね、私緊張してるみたい・・・
らしくないよね?」


美優は照れながら顔を背けた。


「美優。」


やさしい声で私の名を呼ぶ宏大
私はそっと宏大の顔を見上げた。



「大丈夫、おまえなら大丈夫や。」


「宏大・・・」


なんで? なんで宏大は、
そんな簡単に私の心を和らげてくれるの?


なんであなたはそんなにも・・・


美優は好きな人を前に
熱を帯びた少女のように
トロンとした目で宏大を見つめた。


宏大・・・

あなたが好き・・・

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