たった一試合、君と私の甲子園
正気に戻った美優は恥ずかしそうに
もう一度宏大を見た。


「頑張って来いよ。」


宏大・・・


「うん、頑張る。
宏大・・・ありがとう。」


「おう。」


「じゃあ・・・」


「おう、客席で見てるわ。」


「うん。」


その言葉に美優の表情はパァっと明るくなり、
笑顔で手を振り、
急いで試合会場に戻って行った。



宏大、見ててね!!

絶対勝つから!!



その場に偶然通りかかった紗奈。


紗奈はそんな二人のやり取りを
静かに見ていた。



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