子ネコのように抱きしめて
素直な心で
彼と私、都内のマンションに同棲して3年目。

同棲を始めた時は毎日のように愛し合っていたけれど、最近はお互いが仕事に疲れて愛し合う回数も減った。すれ違いの毎日に倦怠感のような雰囲気も流れ始めている。

そんなある日、彼が小さなグレーの子ネコを拾ってきた。

「どうしたの? 子ネコなんて拾ってきて」
「公園の入り口で段ボール箱に捨てられていたんだ」

彼の大きな手からすると、子ネコはとても小さい。

「俺、動物病院へ行ってくるよ」

彼はとても動物好き。優しい彼は捨て猫を見過ごせなかったのだろう。

「ね、私も一緒に行っていい?」

私達は近くの動物病院へ子ネコを連れて行った。
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