回廊館の殺人
「同じ大学のサークルにあんな有名人がいたなんてビックリしちゃうよね!」

宮下が康之に話しかける。

「河上さんだっけ?
俺、まだ読んでないんだよね。
面白かった?」

「すっごい、面白いよ!
山彦山荘って言う音が特殊な反響をする山荘で殺人が起きるんだけと、そのトリックがね…」
「ストップ!!
トリック明かされたら読む気が失せちゃうから。。」

楽しそうに話す宮下を康之が止める。

「え~、話したかったのに。。」

宮下が不満そうに口を尖らせる。

「仲がよろしいですね。」

島村が紅茶を準備してキッチンから戻ってきた。

「いやぁ、サークルの同じ年がヤスくんしかいないんで。」

「確かに、他の部員の人は皆年上だからな~。
しかも、なんでか部室には来てないし。」

康之と宮下が口々に言う。

「息もあっていらっしゃいますね。」

島村は微笑みながら紅茶を二人に注いだ。
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