回廊館の殺人
「島村さん、一つ聞いてもいいですか？」

康之が紅茶をすすりながら島村に尋ねる。

「なんでしょう？」

「この館ってなんでこんな作りなんですか？」

「あっ、それは私も気になってた。」

宮下が「はいっ」と手を挙げながら賛同する。

「あぁ、それはこの館を建築された方が、『時間』をテーマにこの館を作成したからですよ。」

『時間？』

康之と宮下がハモる。

「はい。
まずこの館は時計を模しております。
そして、時計の針は逆回転はしない。
つまり、時間は戻らないということを表現するために回廊を一方通行にしたそうです。」

「へー、なんか深いね～。」

宮下が感嘆の声をあげる。

その後、三人はミステリー小説の雑談などをしばらくし、島村が夕食の準備を始めたので康之と宮下は自室へと移動していった。
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