回廊館の殺人
「島村さんは昨日の晩なにか物音とか聞いたりはしなかったですか?」

「昨晩お話ししたように、山下様がいらっしゃるまで寝ておりましたので。
特に気になる物音などはなかったかと。」

山下の質問に嶋村が答える。

「そうですか。
じゃあ、回廊の扉なんですが反対側から開ける方法とかはないんですか?」

「それなりの工具があれば可能かも知れませんが、かなり時間がかかりますね。」

「なにか犯人が特別な方法使ってアリバイを確保してるかもって思ったんですが。」

島村の言葉に山下が残念そうそうな声を出す。

「ただ、私も館の全てを把握している訳ではありませんのでもしかしたら抜け穴の類いがあるかもしれないですね。」

「本当ですか!
よし!じゃあ康君現場検証だよ!!」

島村の抜け穴という言葉に俄然目を輝かせ宮下が立ち上がる。

「俺もかい。。
ま、することもないからいいけど。」

康之も立ち上がる。

「では、私はカップなどを片付けますので。
くれぐれもお気をつけて。」

そう言って島村は二人を送りだした。
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