君と奏でる恋の詩。
「俺、お前のファン第一号になる。あ、あと友達も」
「ファ、ファン!? 友達!?」
嘘!? 念願の友達ができた! しかも男の子の!
しかもファンって、そんなに私の歌気に入ってくれたなら、それはすごく嬉しいし。
やったー! 思わぬ展開だよ!
「そ、ファンと友達。これからよろしくな、音葉!」
「(! 呼びすてだ…)よ、よろしくお願いします。…南くん」
差し出された右手に、私も右手を重ねる。
…男の子に名前を呼びすてにされたことなんて、いつぶりだろう。
ただ名前を呼ばれただけのに、すごく胸が高鳴った。