【BL】部長の可愛さは罪です!
部員の困惑
「帰る…」
と先輩が部室から出て行ってしまった。
慌てて追い掛けようと足を踏み出した瞬間、直也に腕を捕まれた。
「どこ行くの?」
「どこって追いかけるに決まってるだろ。離せ」
「嫌だね。」
相変わらず鋭い目が俺を見据えた。
「直也、今すぐ手を離せ。」
「嫌だって言ったじゃん?」
「お前何考えてんだ?」
「なーにも。」
口は笑っているのに目が笑っていない。
「今冗談に付き合ってる場合じゃないんだよ。」
「そんなにあの先輩が大事?」
「当たり前だ。もういいから離せ。」
「あっそ。でも俺も稔が大事なんだ。」
「は?」
「だから好きなんだよ、稔が。」
やたら真剣な顔をして、直也はそう言った。