SATAN
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「ご馳走様でしたー。」
あっという間に食べ終わり食器をキッチンへと運んぶ。
「美味しかったよ。」
「そう、それは良かった!今回は腕を振るったのよー。」
心底嬉しそうに話す母の横顔を見て、ふとあの"不思議な感覚"を思い出した。
「……?」
何で思い出したんだろう。
お母さんには関係ないのに。
「ん?どうかした?」
「え……あ、ううん。何でもない。」
しまった。ガン見し過ぎてしまった。
不思議そうに見てくる母に目を泳がす。
あぁ、そうだ。
とりあえず…
「お風呂入って来るよ。」
逃げよう。