SATAN
序章
平和な日々
――
――――ピピピッ
けたたましく目覚まし時計がなるにつれて目が覚めていく。
「んっ」
伸びをして体を解しベッドからおり、カーテンと窓を開ける。
私の毎日の習慣だ。
窓を開けた手を止め外を眺める。
…―――?
何だろう。
いつもと何か違う感じがする。
目に映る風景はいつも通りなのに。
いや、風景がおかしいのではない。
では、この不思議な感覚は何だ?
うーん、と唸り考えるが答えは出ない。
「羽美ー!ご飯よ、起きなさい!」
母の声で我に返り、まだ不思議に想いつつも母のいるリビングへと足を進めた。