SATAN
夢の内容は確か……
あれ…………?
何故だろう。思い出せない。
たまに忘れたり思い出せない時も少なくないが…、何かいつもと違う。
まるで……
誰かの手によって消されたかのようだ。
そんな馬鹿なこと、あるわけないのに。
『…―次は校長先生のお話です。』
考えていると次は最後の長い校長の話の順番がきたらしい。
悩んでいても仕方ない。
思い出せないのだから。
たまには校長の話を聞くとしよう。
『今日の話は少し変わったものなんですが―――――』
、と前置きする校長。
変わった話と聞くと少し興味がわくのが人間というもの。
だが、この校長がそれを言っても毎回の前置きがそれなのだ。
そんなんでは興味も削がれる。