空を見上げて
てを繋いで、歩く。
「今日もいい天気だね。いっぱい遊んできな」
「うん」
「パパはおそらにいるの?」
美紀が突然そんなことを言い出したのでビックリした。
美紀のお父さん、私の夫は美紀が産まれる前に亡くなったのだ。
「うん....そうだよ」
私は無理に笑顔を作って頷く。
「パパカッコいい?」
「カッコいいわよ」
美紀は、お父さんを写真でしかみたことがない。
泣きそうになるのを一生懸命こらえながら笑顔をつくる。
娘の前じゃ泣けない。
「まま、泣いてるの?」
「えっ...あっ、大丈夫よ、泣いてないから」
私は慌てて涙を拭うと、美紀が抱きついてきた。
ぎゅう。
私も美紀を優しく抱きしめる。
小さな、本当に小さな体を優しく抱きしめる。
「まま、がんばるね」
顔をあげると、娘がニッコリ笑って私をみていた。
「うん、頑張って」
ちゅ。
小さな口で美紀が私にキスをしてくれた。
私も美紀にキスをした。