Love Trip in Italy (番外編)
ゆっくりとランチした俺らはアマルフィの街へと繰り出した。
そこかしこに植えられているレモン樹から
甘酸っぱい爽やかな香りが漂い、
燦々と降り注ぐ太陽の光と、
街を活気づかせる陽気な人々。
それと…ついさっき、船から眺めたカラフルな家並み。
俺らはこの風光明媚な景色の中に溶け入るように
のんびり…ゆっくり……歩いた。
途中、ドゥオモ(大聖堂)に招かれるように立ち寄った。
五廊式の教会は珍しく、観光客で溢れている。
街の広場の噴水像と同じ、
守護聖人アンドレアが本大聖堂に祀られている。
聖堂のファザード(デザイン)は金色に輝いており、
夕暮れ時は夕日に照らされ黄金に輝くという。
「ホント……残念ね」
パンフレットに記載されている文を翻訳すると
杏花は残念そうに顔を歪めた。
「………そうだな」
俺はそっと頭を撫でながら…
肩を落とす杏花の手を強く握り返した。