Love Trip in Italy (番外編)
一瞬にしてパッと明るい表情になる杏花。
はぁ…俺はどうして……こうも…、
この目の前の女1人に弱いんだ?
杏花に表情1つでせっかくの計画が台無しになろうとしているのに…。
まぁ、杏花が喜んでくれればいいか。
立ち上がった杏花は瞳をキラキラさせ…
「で、どこなの?ベストスポットは……ん!?」
俺の顔に眩しいほどの期待の眼差しを向けている。
「とりあえず、時間が無いから急いで移動な?」
「はいっ!!旦那様!!」
「フフッ……旦那様か…」
杏花は俺の左腕に絡み付いて来た。
「では、奥様?参りましょう!!」
俺は急ぎ足でとある場所へ向かった。
着いた先は港の噴水前。
「要?また船に乗るのね?だったらそう言ってくれればいいのに」
何故か、船に乗ると思い込んでいる杏花。
海をうっとりと眺め、既に妄想し始めている様子。
「杏花、船には乗らない」
「えっ!?」