なんでも屋 神…最終幕
「…知り合いかい?」



テレビが次のニュースに移った所で、お袋の声が耳を掠めたが、身体が反応を示さなかった。



何も答えられない俺の状況を把握したのか、お袋は受話器を置いておれに背を向ける。



嗚咽を鳴らしながら泣きじゃくる一葉を、そっと抱き締めようとしても、力の入らない腕では、添えるぐらいの役目しか果たせなかった。



食い込んだ一葉の爪痕も今は痛みを感じさせず、視線は次のニュースに移ったテレビを見つめたままになっている。



マコが死んだ事実を受け入れられない、いや、拒絶しようとしている俺は、端から見たら見苦しく見えてしまうだろうか…。
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