なんでも屋 神…最終幕

あのニュース報道があった日から数日が経ち、薄墨色の喪服に身を包んだ俺と、約二週間ぶりに制服を着た一葉は、マコの告別式場に出向いていた。



だがどうしても出席する気にはなれず、次々に訪れる弔問者達を、少し離れた場所で見つめ続けている。



数日の間に漸く一葉の涙も枯れ始めてきたのかと思っていたが、告別式会場に着くなり、一葉はまた泣き出してしまった。



一葉と寄り添う形で、一つの傘で雨を避けていても、傘からはみ出した俺の左肩は容赦無く降りかかる雨に濡れている。



尤も、久し振りに履いた革靴の防水加工は完璧だったけれど、地面に降りつける雨の雫は、裾までを完璧に濡らしてくれた。



奥歯を噛み締めて堪えていた涙は、俺の代わりに天から流してくれたらしい…。