なんでも屋 神…最終幕
俺に何かを伝えようと、俺に助けを求めようとしている迷った瞳…。



そのサインに、気付いてやれなかった…。



そして結果的にマコは、不運な轢き逃げにあってしまい、俺に何かを伝える前に亡くなってしまった。



その後悔が、俺が流そうとする涙の邪魔をする…。



マコは俺に何を伝えようとしていたのかも、今となってはもう分からない。



今は、一刻も早く轢き逃げ犯が捕まる事を祈るしか出来ない自分が、酷く無力に感じる。



警察になんて頼りたくはないけれど、俺がマコの為に出来る事は、もう何も無くなってしまった。



時折暗雲の中に轟く稲光は、カメラのフラッシュのように悲しむ人々を照らし出す。



その轟音と光は、これから俺の知らない過去と未来を照らす暗示にも見えたが、この時の俺は、未だその事を知らなかった…。
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