なんでも屋 神…最終幕
マコの人生の終演が、運命という名のもので決まっていたとしても、その所為で天が泣いているとしても…。



あの時、俺がマコの話しを聞いてやれていれば、その運命は書き換わっていたのだろうか…。



そう思うと、マコに最後となる別れの言葉を継げる事に、戸惑いが生じてしまう。



結局俺は、涙が溢れて止まらない一葉の手を引いて、そっと告別式会場を離れた。



荒れ狂う天は風向きを横に変え、俺の頬に雨雫を打ち付け、それが涙の代わりに顎先へ落ちる。



それは天が俺に、未だ涙を流してはいけないと言っているようにも聞こえた…。
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