なんでも屋 神…最終幕
家の前でタクシーを降り、去り行くタクシーを見送った後、先に一葉を家の中に入れた。



それを待っていたかのように、俺の横にキャデラックのデビルが、ゆっくりとスピードを落として近付いてくる。



「気付いてたんですか?」



横付けした瞬間に、後部座席の窓が音も鳴く下がり、愛想笑いを浮かべた三龍が顔を出した。



黒塗りの新型キャデラックのデビルは、ボンネットに乗った雨の雫を流線型に流していく。



「告別式場を出た辺りからな。悪いけど、今はどんな話しも聞きたくない。」
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