なんでも屋 神…最終幕
「そう言うと思ってました。ですが、珍しく自ら出向いてきたんですから、お話しだけでも聞いて頂けませんか?」



全く悪意を感じさせない三龍の笑顔…これで[神堂組]の本部事務所に乗り込んだのだ。



そう思うと、薄気味悪く感じる。



三龍が中から開けたドアの隙間に身体を滑り込ませ、厚い皮のシートに座って重厚なドアを閉めた。



「春以来になりますね。お久しぶりです。単刀直入に申し上げますと、話しというのは[神堂組]の事です。」



三龍の流暢な日本語は、忘れさせていた有名大学出だと言う事を、記憶の奥底から呼び起こした。



「代替わりを済ませたらしいが、俺は何も知らないぞ。情報が欲しいなら、また[神堂組]の本部に乗り込んで、直接聞き出したらどうだ?」
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