なんでも屋 神…最終幕
片方の口角だけを笑わせた三龍は、黒いガラス玉のような瞳で、俺を値踏みするように見据えた。



「ハハハ。あんな怖い思いはもう懲り懲りですよ。あの時は組織を背負ったと思って、気負っていたんでしょう。」



俺の疑惑に満ちた視線に気付いたのか、繕った照れ笑いで誤魔化そうとする三龍。



…この男は死ぬまで自分の本心を他人に曝す事は無い。



それが今一つ、俺が三龍に信頼を置けない理由だ。



「[神堂組]の代替わりで、以前言っていたタイミングが来たのか?」




神堂龍造から兄ぃに代替わりしたからといって、[神堂組]に隙が生じるとは考えられない。
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