なんでも屋 神…最終幕
溜め息と共に通話を終了し、出来るなら今は電話をしたくなかった兄ぃへ繋げる。



三龍と会った後に兄ぃと話すのは、情報を横流ししているような気持ちになって嫌なのだ。



まぁ、三龍からは何一つ真意は聞いていないので問題は無いし、ノリの行方を聞き出したいから今は不問にしよう。



普段なら取り次ぎが出た後か、兄ぃが直接電話口に出るのに、今日は何時になっても出る気配が無い。



何度かかけ直してみても、一向に電話は繋がらないまま、向こうからは電子音だけが微かに聞こえるだけだった。



三龍が[神堂組]の事で出向いたと言っていた言葉と、鳴り続ける電子音が重なり合って、心中を渦巻く胸騒ぎに変えていく。
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