なんでも屋 神…最終幕
「今日は出勤時間が遅かったんじゃないのか?」



クソ暑いのにも関わらず、俺にこんな軽口を聞いてくる奴は、このメインで一人しか該当者がいない。



声の聞こえた方に振り返ると、その存在を強烈に印象付けようとする、ガボールのネックレスをぶら下げたヒロ。



「…まぁな。」



港湾地区に寄って、マコに花を手向けてから来たとは、言葉として出したくなかった。



マコの死を言葉に出してしまえば、未だマコが生きているかもしれないという、砂粒程の僅かな期待が崩れてしまう気がする…。



現実を受け入れようとしない俺は、他人から見ればさぞ滑稽に見えるだろう。
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