なんでも屋 神…最終幕
しかし、書生とはまた古い呼び方を使用しているものだ。



今は秘書と言った方が通じやすいと思うが、その辺りに男性の性格の一端が見える。



「書生と言うのは、簡単に言えば秘書のようなものでして…。」



ご丁寧に言い直すくらいなら、名詞を作り直した方が早いと思うが、書生の意味も分からないと思われた自分の外見に、我ながらガッカリする。



今度からは、俺もスーツを着て対応しようか…。



ホストには見えても、なんでも屋には見えないと思い、脳内でその案を直ぐ様却下した。



ずっと男性がアイスコーヒーを持っているのを見て、デスクの上へ置くように右手で促す。



片方では湯気を立てているコーヒーと、氷で冷やされたアイスコーヒー。



口の中に残るアイスコーヒーの酸味が、俺はどうしても苦手だ。
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