なんでも屋 神…最終幕
最終幕第四章
脳内で渦巻く日本への批判から、俺の目の前で吹き出る汗をハンカチで押さえている、書生へと意識の先を戻した。



「市長選が行われているのは、時折聞こえてくるウグイス嬢の声で知っています。」



さっき置かれたばかりのアイスコーヒーは、それを飲んでいる本人と同じぐらいの汗を掻いている。



市長選が行われているのを、俺が知っていると言っただけで、日本の未来に光が射したかのように、肉厚な顔を綻ばせる小関さん。



「此方の近くまで選挙カーは来ているのですが、中々…。」



濁した言葉の先は分かっていた。



このメイン近辺じゃ、応援の手を振る所か、選挙カーを見つけたら中指を立てろが合い言葉になっている。
< 150 / 447 >

この作品をシェア

pagetop