なんでも屋 神…最終幕
外に出ると、太陽は西の方に傾きかけていて、木々の隙間を通り抜けた風が、先程の不快な臭いと鼻先で混じり合った。



「若いとは聞いていましたけど、本当に若くて少々驚きを隠せませんが、腕は確かだと聞いています。どうでしょう、依頼を受けて下さりますか?」



物事をはっきり言う宇佐見からは、好感すら持てる。



俺に下手なお世辞や機嫌取りは必要ない。



どうして俺の所へやってきたのか。その理由が[トレイン]のマスターだと分かった時から、宇佐見義一なる人物を信頼し始めていた。



「未だ決めかねている所で、だからこうやって直接会いにやってきた訳です。」



さっき俺の前を通り過ぎていったお婆ちゃんは、恐らく唯ちゃんだと思われる女の子と、楽しそうに砂場で遊んでいる。
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