なんでも屋 神…最終幕
「ノリ、一つ忘れてないか?俺の手にもベレッタが有るんだぞ?」



この状態で撃たなければ、完全に俺をしとめるのは不可能。



俺が咄嗟に動けば、僅かだが立場を逆転出来る可能性が有る。



いや、そうしなければ、俺は間違いなく死ぬ。



ノリがさっさと撃たないのには、何か理由が有るのだろう。



それが同情か躊躇いなのか俺には分からない。



もっと言えば、ノリの心中を計る必要も無いのだ。



死ねない…死ぬ訳にはいかない。銃口を向けられていると感じる度に、生きようとする意志が固まっていくのが不思議だった…。



「忘れてないさ、そっちには細心の注意を払ってるし、撃とうと思えば何時でも撃てる。これは余裕と言うんだよ。その証拠がこれだ。」
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