なんでも屋 神…最終幕
ノリがそう言った直後、空気の漏れるような音が静かな林の奥に消えていき、横に積まれていた土嚢から、中身の乾いた砂がサラサラと流れだした。



銃を二丁所持しているとは考えてなかった…。



頭に一丁突き付けられていれば、そう思い込むのも人間としたら仕方ないのかもしれない。



良い意味でも悪い意味でも、思い込みってやつは…。



「黒沢の兄貴からの言伝だ。今回の依頼から手を引け。」



ノリが偶然この場に居合わせたのではない事が証明されたが、その奥に隠された意味までは理解出来なかった。



隠された意味を探ろうとするより、混乱した脳内の糸を解こうとするより、真っ先に働いたのは怒の感情…。
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