なんでも屋 神…最終幕
兄ぃ達が帰ったのを察したのか、マスターが静かにカウンターへと戻ってきた。



止まり木に腰を下ろし、萩へ浴びせて氷も無くなったグラスを、マスターの前に滑らせる。



新しいグラスに注がれたブランデーを、思考に纏わりつく何かを振り払うように飲み干し、俺もドアへと向かった。



「…あの、このお金は…。」



マスターの視線の先には、先程兄ぃがカウンターの上に置いた手付け金が、所在なさげに置かれていた。



「客も帰らせてしまったみたいだし、迷惑料代わりに貰っておきなよ。あとで何か言われたら、俺が持ってったって言って良いから。」
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