なんでも屋 神…最終幕

壊れそうな程、他人の痛みを自分の事のように苦しむ神君の心を、そっと抱き締めてあげる。



それが今の私に出来る精一杯。



本当は神君を支えられるぐらいになりたいけど、まだまだ子供な今の私では、どんなに背伸びしても無理なんだ。



少しずつ階段を上っていくから、それまで待っててね。



手を繋いで歩き出した神君の横顔は、もういつも通りの端正な顔に戻っていた。



見上げた神君の横顔。



ネオンの光と夜の闇で作り出した陰影の中で、まだ瞳が潤んでいるようにも見える。



神君を心配そうに見つめる私の視線の背景で、一瞬だけネオンの光量が増したように見え、それは私達を祝福してくれているようだった…。