なんでも屋 神…最終幕
二口目を放り込んだ時、若干タレが甘い事に気付いたが、普段と変わりなく美味しい事には変わりなかった。



「美味しいですか?」



さり気なくテーブルに置かれたお茶を啜り、頷くと飲み下す動作を一緒に済ませる。



ご馳走を出されて我慢出来ない子供みたいな自分に、妙なおかしさがこみ上げてきた。



「ごゆっくり召し上がって下さいね。」



決して痩せこけている訳ではないが、深い皺の刻まれた笑顔を残して、イトさんはリビングへと行ってしまった。
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