なんでも屋 神…最終幕
時刻は午後を少し回ってしまったが、未だ太陽が最高点に到達するまでは時間が有る。



ボディに僅かばかり熱の籠もったマジェスティを、普段は縁のないオフィス街の方へ走らせた。



昼飯時の過ぎたオフィス街は、午後からの仕事に追われている営業マンの姿が多く見える。



名前の通った商社ビルが建ち並ぶ通りを少し過ぎ、信号の無い細道にマジェスティの鼻先を向けた。



ビルに遮られた日差し、途端に首筋が湿った。



湿気の不快な臭いが、辺りに立ちこめている。



曖昧な記憶を辿りながら、徐々にアクセルを戻していくと、目当てのペンシルビルへと着いた。
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