なんでも屋 神…最終幕
「そのおやじを見つけだしてどうする気だ?」



俺の千里に対する問いかけに、生温い微風が漂う事務所の中が、張り詰めた空気に変わり瞬間の静寂が訪れる。



「…そいつを殺して、私も死ぬ。」



揺らぐ事の無い頑なな意志と、憎しみが混濁した千里の視線が、迷う事無く一直線に俺へと突き刺さる。



「なぁ神、千里もクラブドラッグの被害者なんだ。金なら俺が払うから、依頼を受けてやってくれないか?」



何故ヒロが此処まで肩入れするのかは分からないが、一気に押し寄せた情報を受けて、俺は背凭れに身体を預けて天井を仰いだ。
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