なんでも屋 神…最終幕
最初から、俺に断る権利は与えられていない。



強引すぎる神堂に対し、俺は暫し呆然としながら、ポルシェのテールを眺めていた。



そんな俺の気も知らず、ポルシェは通りを右折して視界から消えていく。



憤り、不安、疑問。暑さでかさついた脳内に、そんな言葉が音を立てて巡る。



有無を言わさぬ神堂の態度。当然の如く沸き上がる憤り。何の話しか分からない不安。そして、それ等に対する疑問。



べとつく肌の不快感が巡る思考の邪魔をする。増していく暑さが脳内の活動を鈍らせる。



あれこれ考えるのは止めた。今浮かび上がった全ての疑問は、[沙夜]に行けば解決するだろう。



たった数分放置していただけで、火傷しそうな程熱をため込んだマジェスティを、[沙夜]の方に向けてアクセルを開いた。
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