なんでも屋 神…最終幕
裏道を通ってきたお陰で、神堂の乗るポルシェと俺が[沙夜]に到着した時間は、殆ど同時だった。



「来たか。まぁ、中で話そう。」



地を這うようなスタイルの車体から降りた神堂は、先を案内する運転手の女性に続いて[沙夜]に入っていく。



未だ開店前という事で、店内は籠もった熱とは対照的に、何処か冷たさを感じさせる静けさを持っていた。



和と洋がそれぞれ主張し、一歩足を進める毎に様々な面を楽しませてくれる造りは、以前にも増して凝っている。



直ぐに空調の入った音が聞こえ、俺と神堂は以前訪れた時と同じ部屋に着いた。
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