なんでも屋 神…最終幕
「酒で良いか?」



上座の座椅子に身体を落ち着かせた神堂。



第一線を退いたと言っても、その全身から放たれる重苦しい雰囲気は、黒沢一樹の比ではない。



「未だ仕事が控えてますので。」



つまらなそうに頷いた神堂は、大きな声で俺の分と思われるアイスコーヒーを頼んだ。



徐々に利いてきた空調のお陰で、俺の鈍い思考も回転が良くなってきた。



「あんな所で会うとは偶然じゃったの。あれからどうしとった。」
< 249 / 447 >

この作品をシェア

pagetop