なんでも屋 神…最終幕
「…そうか。そう言って貰えると、儂の気持ちも幾分かは楽になるな。夜恵を未婚の母にし、お前達兄弟を片親にしたのは、儂じゃからの…。」



…神堂の言っている意味が今一理解出来ないが、感じ取った雰囲気だけで絶句してしまった。



「今更謝った所で許して貰えるとも思っとらんが、すまんかった。この通りじゃ。」



数ヶ月前まで、この街の裏社会のトップに収まっていた人物が、テーブルを挟んで深々と頭を下げている…。



その余りに非現実的な光景を前にして、俺はただただ茫然とするしか出来なかった。



様々な疑問符が脳内を縦横無尽に駆け巡り、声にならない声が口元を漂っている。
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